1ヶ月水やりしないと、植物はどうなる?
旅行や仕事の都合で長期間、家を空けるとき――
「植物の水やり、どうしよう…」と悩んだことはありませんか?
私は休暇下船すると1ヶ月ほど不在になるので、そのたびに植物の管理方法に頭を悩ませてきました。
そこで今回は、**「休暇の1ヶ月間水やりをせずに、植物たちはどうなるのか?」**をテーマに、
船室で育てている植物で行った水やりなしの実験と結果をお伝えします。😁
・どんな植物が長期間の断水に耐えられるのか
・出発前にやっておくべき水やりの工夫
・袋密閉による湿度管理の効果
実験の概要と事前準備

最低気温が15°を下回らなくなった4月23日から5月17日までの24日間(約1ヶ月)の水やり無し(断水)です。
写真データから直近の室温平均気温が22.2℃、植物が成長を始める温度帯に入り
植物の変化が現れやすいと判断して今回の休暇を利用して比較実験することにしました。
- 室温: 開始前1ヶ月の船室平均気温22.2℃
- 期間: 4月23日〜5月17日間
- 目的: 水やりをせずに植物がどこまで耐えられるかを観察


・船室の窓は開けられず、空気の流れは天井の2つの吹き出し口から出てくる空調の風で部屋全体を回わす。
・部屋の照明は点けず、2箇所の窓から入る日光のみ
出発前の水やりルーティン
実験開始日(下船日)に合わせ数日前から水やりの準備に入ります。
- 下船3日前:鉢底からしっかり水が出るまでたっぷり水やり
- 下船1日前:霧吹きで葉面をうるおす
- 下船当日:種類に応じて袋密閉や再度霧吹きで調整
開始日の直前に水やりをした方が、土に長く水が保たれると思いましたが、
直前のたっぷり水やりで排水が上手くいかなかった場合、根腐れを起こす懸念があるので3日前にたっぷりの水やりにしました。
・下船1日前は全ての植物を霧吹きでうるおします。
・エアープランツは、下船日に十分な霧吹きをしてからジップ付きの透明袋に入れ袋密閉にして船首側の窓に置きました。
・オリズルランは鉢ごとすっぽり入る透明袋に入れ袋密閉にして同じ窓に置きました。

袋密閉は熱帯植物園芸家の杉山さんの書籍や動画を参考にしています。詳しくは後ほど説明します。
実験対象と結果|5種類の植物の記録
🌱 多肉植物
【管理方法】 通常鉢+下船3日前に水やり済み
【1ヶ月後の状態】 葉が少し薄くなった株も見られるが、ほぼ下船日と変わらない姿。
【生き延びた理由】 葉が肉厚で水分保持力が高く、乾燥に強い性質を活かして耐えれたのかな。😄


🌱 オリズルラン

【管理方法】 水やり+袋密閉
【1ヶ月後の状態】 葉のみずみずしさは増した様に見える。とても状態が良かった😄
【生き延びた理由】 葉からの蒸散を防ぐための、袋密閉の効果が大きく袋内の湿度が保たれたことで蒸散を防ぎ、土の乾燥を遅らせることができたからかな。🧐


実はこのオリズルランは、1ヶ月ほど前に株がぐらつき弱っていて赤玉土に植え替えしたオリズルランです。


ていたので取り除いた
植え替え時の根の状態では、復活は五分五分かなという感じでした…
3年以上植替えをしていなかったのが原因なのか、なぜこんなに根がボロボロ状態になったのか、未だに解明できていません🤔
オリズルランについては、強剪定についての記事もどうぞ。

🌱 シャコバサボテン
【管理方法】 通常鉢+水やり済み
【1ヶ月後の状態】 ややしおれて葉が薄くなった様ですが、元気です。
【生き延びた理由】 成長がゆっくりで、葉に水を蓄える特性があり葉数が多く貯水出来ていたからかな。


シャコバサボテンは船室で育てる植物の中では古株で、4年くらい育てています。
1ヶ月近くの水やり無しには慣れているのかもしれません😅
🌱 ビカクシダ(ネザーランド)
【管理方法】 板付け+水苔+水やり済み(袋密閉なし)
【1ヶ月後の状態】 乾燥して胞子葉が垂れたりシナってます。貯水葉は乾いてます。
【生き延びた理由】 ビカクシダは比較的乾燥には強く、普段の水やり間隔も1週間から10日だったので枯れることはなかったのかな。


乗船時に右上の胞子葉が垂れて全体の胞子葉もシナっていた状態を確認した時には、少し焦りましたが
全体を見回したら胞子葉も伸びていて、問題なさそうで安心しました。
垂れた胞子葉は伸ばして、針金で支えてあげたら元のピンとした状態に戻りました。😅

🌱 エアープランツ(イオナンタ)
【管理方法】 袋密閉+水やり(トレーのスミラスグラニューに保水)
【1ヶ月後の状態】 葉のトリコーム(白い粉状のもの)の状態も良く、元気な状態でさらに少し成長している。
【生き延びれた理由】セミラスグラニューに含ませた水分によって、袋密閉内の湿度が程よく保たもたれた。


袋密閉内の湿度を活用しながら、少し成長している。😳
オリズルランに続き、エアープランツも袋密閉にしました。
エアープランツは土に植えないので、葉や根から空気中の水分を吸収する構造なので
長期間水をやらないと、乾き過ぎて水切れを起こすので袋密閉を採用しています。(次回は袋密閉しない株もい挑戦してみます)
「袋密閉」って、何? となっている方に
袋密閉を説明いたします。😊
密閉袋の効果は?|「袋密閉法」のポイント
袋密閉とは、植物を透明な袋に入れて密封し、袋内部の湿度を保つ方法です。
・鉢だけを包む鉢密閉と鉢と植物丸ごと包む袋密閉があります。
・蒸散した水分と植物がだす水分が袋内にとどまり、乾燥を大幅に遅らせることができます。
袋密閉については、NHK趣味の園芸にも出演されている熱帯植物園芸家杉山さんの出版本と動画を参考にして行いました。

袋密閉が向いている植物

基本的には弱った植物の養生に適した手法です。
冬場の観葉植物の中にはすごく寒がる植物がいるので冬場の寒さ対策にも袋密閉は有効です。
袋密閉することで、気温の変化が緩やかになり湿度が保てます。
空気の流れ無くなりますが、弱っている株には影響ありません。
さらに袋密閉に息を吹き入れるフーフー密閉を行うと復活しやすくなります。
実際、年初の冬の寒さで弱った我が家のガジュマルは袋密閉+フーフー密閉(袋密閉に息CO2を入れる)で養生したら復活してくれました。
フーフー密閉については別記事でご紹介します😄
植え替え直後の植物
気温の低下で弱った観葉植物
エアープランツ
注意点
袋密閉も万能ではなく、気温が上がってくると土にカビが生えるなどの問題があります。
大型の植物は袋も大きくなり管理が大変なので、小型の植物に有効です。
まだ年初に始めたばかりなので、今年の秋冬にまた検証改善したいと考えています。
・真夏の直射日光下では袋内温度が急上昇するため、必ず日陰で管理
・気温が上がるとカビ発生のリスク。(有機質の土は特に注意)
・袋密閉鉢が多くなると管理が大変
・部屋の景観が悪くなる
フーフー密閉で効果がさらに上がる
フーフー密閉とは、袋密閉の植物に息(CO2)を吹き入れて、弱った植物の光合成を助ける手法です。
一度膨らました袋の端のほうから、ストローを挿しこみ息を数回吹き込みます。
これを数日おきか、袋がしぼんだら繰り返してください。
驚くほどに、元気をとりもどしていきますよ。😁
自己責任ですが、
園芸はいろんなことを試すことで、育成スキルは上がっていきます。😁
長期不在でも植物を枯らさないヒント
今回の実験は、船室という特殊な環境(窓が開閉出来ない、太陽光が船の向きが変わるので一定しない)下で行いましたが、
一般家庭で育てる植物の管理方法のヒントになるのではないでしょうか😊
この実験で得られ、次の実験のヒントになる項目を上げてみます。
- 長期の水やり無しには、鉢は乾きやすい素焼きよりプラ鉢がよい
- 土は水はけと保水性のあるものを使用してみる(ピートモスや水ゴケなど)
- 消灯した室内は窓辺に移動して日光が当たるようにする。(直射日光は避ける)
- 袋密閉はエアープランツに有効。ほかの植物にも適用できるかやってみよう。
実験(ラボ記事)は更に続けていきます。😊
まとめ|1ヶ月水やりなしでも以外と大丈夫!
今回の実験で感じたことは、「工夫次第で植物は乾燥に耐えられる!」ということです。
水やりの手間を減らしたい方や、長期の旅行をよくされる方は、まず一番に乾燥に強い植物を選らんで、
長期の不在時には、今回やった実験を参考にしていただけたらと思います。
水やりに縛られすぎず、無理のない範囲でガーデニングを楽しみましょう😊
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